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◆幻の沖縄そば
アイデアを探して、図書館通いが始まった。そして、何回か通ったある日、伝承料理を集めた本の中の一枚の写真が目に入ったのである。それは、『ウムクジそば』という奇妙な名前のそばだった。もともとそばが好きなこともあって、すぐ興味をひかれた。ウムクジ(芋澱粉)で作るそばなんて見たことはもちろん、きいたこともなかったからである。説明を読んでいるうちに、興味は倍増した。いや、実のところ、最初に写真を見たときから、これだ、とひらめくものがあったのだ。
店を共同経営する相方の意見も聞かず、勝手に決めて、早速、その日のうちに『うむくじそば』の試作品作りが始まった。芋そばという、他に類をみないそばを作ることに、すっかり興奮していた。幻のそばを復活させる、という作業に、ある種のロマンを感じていたかもしれない。
しかし、芋を麺状にすることは非常に困難で、幾度となく失敗した。途中ですぐ切れるし、太くするとモチっぽくなって、味が下品になる。いろいろ工夫を重ね、ようやく完成したのは、店のオープン前日のことだった。
『幻の沖縄・昔そば/芋そば』
そういう名称で、売り出した。
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